・将来に向けた資産形成
・副業収入の確立
などを目的として不動産投資を検討している人の中には、不動産投資のデメリットについて気になっているという人もいるのではないでしょうか。
不動産投資にはメリットもありますが、同時にデメリットもあります。今回は、不動産投資を行う際に気をつけておきたいデメリットとその対処法について詳しく解説していきます。
不動産投資のデメリットをしっかり把握することで、不動産投資の魅力を再確認してみてくださいね。
不動産投資のデメリットを把握しておいた方が良い理由
不動産投資は有効な資産運用の一種で、投資対象としての魅力やメリットがあります。
しかし、不動産投資を行う際には、メリットだけではなくデメリットもしっかりとおさえることが必要です。なぜなら、不動産投資を成功させるためには、資産価値の高い物件を購入し、適切に管理していくことが重要です。不動産投資のデメリットを知っておけば、資産価値の低い物件や管理状況の悪い物件を購入してしまうリスクを低減させることができるのです。
また、投資不動産のオーナーとして物件の資産価値を保全していくことや物件価値を毀損してしまうリスクに対して適切な対処を取ることができるようになります。
不動産投資のデメリット10選
不動産投資を行う際に発生するデメリットとして、具体的にどのようなものが挙げられるのでしょうか。今回は、不動産投資をする際に考えておくべきデメリットとして10項目を紹介していきます。
空室になると収益を上げることができなくなる
不動産投資は、賃借人に不動産を貸し出して賃料収入を得ることにより、インカムゲインたる収益が発生します。
そのため、賃借人が退去して空室期間ができてしまうと、その期間中は賃料収入が発生しません。空室期間が長引いてしまうと、管理費や固定資産税等のコストのみが発生し、収益を圧迫するおそれがあります。
少額からの投資ができない
不動産投資は、基本的に少額からの投資をすることができません。ある程度、まとまった資金を用意する必要があります。
市場では非常に安い不動産等も出回っていますが、資産価値がほとんどない物件であるというケースも少なくありません。しっかりと価値のある物件に投資をするためには、それ相応の資金が必要になってきます。
災害や事故等により物件価値が毀損される可能性がある
不動産投資では、自分が保有している物件が災害や事故の被害に合い、物件価値が大きく毀損されてしまうという可能性を排除することはできません。
また、災害や事故の被害に合った場合、リノベーション等のコストが発生するリスクも高くなります。
管理費や修繕積立金、固定資産税等の維持費が掛かる
不動産のオーナーは、賃借人のために物件をしっかりと管理していく義務があります。物件を管理するために必要な管理費や大規模修繕等に備える修繕積立金、不動産所有者にかけられる固定資産税等の維持費が掛かってしまいます。
不動産投資を行う際には、このような維持費も考慮していきながら経営していかなければならないというデメリットがあります。
出口戦略(売却)で躓くことも
不動産投資は、保有して賃借人に貸し出すことでインカムゲインを得ることができますが、売却してキャピタルゲインを狙うこともできます。
ただし、不動産を売却する場合は買い手がすぐに見つからないというケースも少なくありません。不動産を購入するためには、まとまった資金が必要ですので、買い手も慎重にならざるを得ないからです。
また、想定よりも低い価格で売却しなければならなくなることもあります。
このように、不動産は流動性の低い資産であるというデメリットがあります。
物件の管理や手続き等の手間がかかる
不動産投資では、物件の管理や各種手続き等の手間がかかるというデメリットがあります。
具体的には、賃貸借契約や管理契約、登記事務等の契約事務や確定申告等の行政事務等が挙げられます。不動産のオーナーは、予想よりも幅広い事項に対応する必要があるため、想定以上に時間がとられてしまうこともあります。
建物の老朽化等により物件の価値が下落する可能性がある
物件の保有期間が長くなってくると、建物の場合は経年劣化が起こり老朽化します。
所有している不動産が老朽化していくと賃借人が付きにくくなり、物件価値が下落してしまう可能性があります。
賃料収入が下落していくことも
不動産投資は、安定してインカムゲインを得ることができる投資方法ですが、賃料収入そのものが下落していくリスクがあります。
先程の老朽化もそうですし、新築の競合物件などにより、賃料を下げざるを得なくなる場合がある、というデメリットがあります。
不動産投資ローンを利用した場合、ローン金利が変動することがある
不動産投資では不動産投資ローンを利用することができますが、ローン金利が変動することによってコストが増大するリスクがあります。
特に、一棟買い等で高額の不動産投資ローンを組んだ場合は、不動産投資から得られる収益に大きな影響を与えることになります。
入居者による家賃滞納問題が発生するケースもある
不動産投資では、賃借人である入居者が支払う家賃収入が主な収入源となりますが、入居者が家賃を滞納し問題となるリスクがあります。
悪質な場合は、督促状の送付や明渡請求等の法的な措置を講じる必要が出てくることもあるでしょう。
入居者とのトラブルは心身ともに負担になりますので、不動産投資のデメリットとなります。
不動産投資のデメリットへの対処法10選
不動産投資のデメリットについて紹介していきました。不動産投資に関する上のようなデメリットをみると、不動産投資を躊躇していまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、先ほど挙げた不動産投資のデメリットには全て対処法があります。きちんと対策をすれば健全な不動産経営を行うことができますし、対策を怠る競合投資家にも差をつけられますよ。そのためここからは不動産投資のデメリットに対する対処法を、しっかりと解説していきます。
空室リスクへの対処法
空室リスクへの対処法は、物件の購入前と購入後によって分かれます。
物件の購入前にチェックすべき事として、賃借人の需要が落ちないかという点があります。
特に環境面は重要で、
・駅から徒歩何分の立地であるか
・スーパーやコンビニ等がある生活利便性の高い地域か
といった点に注目しましょう。
また、不動産投資を行う地域の人口動態等も調べておいたほうが良いでしょう。
加えて、購入後に入居率を高めるためには、適切な物件の管理やバリューアップが重要となります。アクセントクロス等を取り入れて、入居者の目を引くような工夫も効果的です。賃借人から見て、魅力的な物件であればあるほど、空室率は下がっていきます。
多額の資金が用意できなくても不動産投資を始めることができる
不動産投資では、まとまった資金が必要となりますが、不動産投資ローンを組むことで、自己資金が少なくても不動産投資を始めることができます。投資をする不動産が担保になりますので、平均的な所得がある人であれば、審査にも通りやすいです。
一般的なサラリーマンの人でも、1億円近いローンを組むことができたというケースがあります。
事故や災害リスクへの対処法
事故や災害リスクへの対処法としては、火災保険や地震保険等の損害保険を活用することが考えられます。火災保険や地震保険では、様々な特約を付けることが可能です。そのため、不動産を保有することによって発生する様々な事故や災害に備えることができるでしょう。
自分がカバーしたい保証内容についてアレンジメントできるのも、頼もしい特徴です。
不動産維持費への対処法
不動産を保有することで様々な維持費が発生しますが、管理費等は共益費として家賃とは別に入居者に請求することができます。また、損保等への加入を入居条件にすることもできます。さらに、退去時のクリーニング費用や鍵交換費用も賃借人に請求することができるケースが一般的です。
入居者さえしっかり確保できれば、物件の維持費の負担を入居者側に転嫁することができるのです。
出口戦略の考え方
日本の不動産価格の相場は比較的安定的です。そのため、買値よりも大幅に高い売値で売却することは、難しいというのが現状です。
もっとも、不動産投資の利益とは、賃料収入であるインカムゲインと売却して得られるキャピタルゲインの総和となります。中長期的に物件を保有し、十分インカムゲインを稼いだ後で売却すれば、売値が買値を下回ったとしても総額ではきちんと利益を出すことが可能です。
不動産は流動性の低いアセットクラスになりますので、出口戦略も中長期的なスパンで考えていく必要があります。
物件の管理や手続き等の対処法
不動産の管理や手続き等に関しては、不動産管理会社や仲介会社が代行することが一般的です。そのため、管理会社や仲介会社選びが重要となります。信頼性の高い業者に物件の管理を委託していきましょう。
物件を自分で管理しなければならない場合は、税理士や司法書士等の適切なパートナー選びが重要となってきます。
建物の老朽化への対処法
建物の老朽化への対処法としては、きちんとした修繕計画を立てることが重要です。
区分所有マンションの場合は、管理会社によって修繕計画が立てられてるケースが多くなりますので確認しておきましょう。RC造の建物の耐用年数は47年とされていますが、適切に管理すれば100年から120年程度維持できると言われています。
賃料収入下落リスクの対処法
賃料収入下落リスクの対処法としては、
・適切な物件の管理
・バリューアップ戦略
を考えることが重要です。物件を適切に管理して快適な住環境を確保することにより、賃料収入の下落を抑えることができます。
また、リフォーム等でバリューアップも検討しましょう。アクセントクロスを貼りかえる等、ちょっとした工夫でも印象は大きく変わります。
ローン金利の変動リスクへの対処法
不動産投資ローンを利用して不動産投資を行う場合、ローン金利変動リスクを考慮する必要が出てきます。不動産ローンから発生する金利は、すべてコストになります。
金利上昇リスクを排除するためには、固定金利タイプのローンを選びましょう。また、ローンの借入期間を短くすることで、金利のコストを減らすことができます。繰り上げ返済やローンの借り換え等も検討していきましょう。
家賃滞納問題や入居者とのトラブルへの対処法
家賃の収納や入居者への対応は、管理会社等が間に入ることが一般的です。入居者とのトラブルや問題を解決する能力が高い管理会社を選びましょう。
また、入居者が家賃を滞納すると、不動産オーナーに対する賃料収入がストップしてしまいます。このような問題にあらかじめ対処する方法として、サブリースや家賃保証会社を活用する方法が挙げられます。
サブリース契約とは、サブリースを行っている業者に物件を貸し出して、契約期間中の家賃が完全に保証される契約のことを指します。そのため、サブリース契約は空室対策にもなります。
家賃保証会社を活用する場合は、保証料を支払う必要があります。とはいえ、家賃保証会社の保証料の支払いを賃借人への入居条件にすることができますので、物件のオーナーが負担するケースは少なくなっています。家賃が滞納されても、家賃保証会社がいれば代行して支払ってくれますので安心です。
デメリットを踏まえ不動産投資の魅力を再確認しよう
不動産投資は上のような様々なデメリットを考慮する必要があります。しかし、きちんと対策できることもお伝えしました。
不動産は、毎月賃料収入という安定したインカムゲインを稼いでくれるアセットクラスです。また、不動産は実物資産ですから、金融資産等のような急激な価格変動リスクは低いものです。適切な管理と入居者を確保する工夫を行えば、手堅く安定した資産運用を行うことができるようになりますよ。
まとめ
以上、今回は不動産投資のデメリットやその対処法について解説していきました。
不動産投資には様々なデメリットがありますが、それぞれきちんと対処することができます。不動産投資から生じるデメリットに対して、適切に対処さえすれば、不動産は資産運用の対象としてかなり魅力的です。不動産投資を行う際には、デメリットをしっかりと理解した上で、適切に不動産経営を行ってみてください。