公務員が不動産投資を始める前に知っておくべきことを徹底解説。副業規定との関係は?

不動産投資が節税になる理由

働きながら副業として、不動産投資を始めてみたいと考える人は年々増えています。

しかし公務員の場合には、注意が必要です。

原則的に公務員は副業の範囲が定められているからです。

そこで、

どの程度の規模の不動産投資が副業に当たるのか
公務員がどんなことに注意すべきか

などの知識を身に付けておくことが大切です。

これから公務員が不動産投資を始める上で知っておきたい、基礎知識について解説していきます。

公務員は不動産投資できる?できない?

公務員と不動産投資

ずばり言うと、公務員は不動産投資をすることができます

ただし、「その範囲が制限される」ということが重要です。

原則的に、公務員は営利を目的とする報酬を得ることを禁じられています

ただし、所管庁の長の申し出によって、人事院の承認を得た場合にはできることになっているのです。(引用元:国家公務員法103条104条)

実際に規定の範囲内で不動産投資を行っている公務員が大勢いるのも事実です。

公務員が不動産投資を行える条件

公務員と不動産投資の条件

国家公務員法により、所管庁の長から人事院に申請をして許可されれば、公務員でも不動産投資ができることがわかりました。

ここからは、具体的に認可されるための必須条件をみていきましょう。

 1)不動産投資の申請書類を揃えること

公務員が不動産投資を行うためには、所管庁の長に不動産投資の副業の申し出をしなくてはなりません。

所管庁の長から人事院に申請してもらい、許可されれば不動産投資をすることが可能です。

許可の申請には、

・申請書
・物件概要書
・物件の管理委託契約書
・貸借条件一覧表(レントロール)

などの書類が必要になります。

しかし大規模な投資目的を強調してしまうと許可されにくくなります

親の所有する不動産を相続で所有することになった、などというケースは許可が下りやすいようです。

 2)不動産投資の規模を規定内にすること

国家公務員法では、自営を禁止する条文がありますが、ここでいう自営というのは、「10キロワット以上の太陽光電気の販売」「年間500万円以上の賃料収入がある不動産又は駐車場の賃貸」「大規模な農業・牧畜・酪農・果樹栽培・養鶏等」「10件以上の土地の賃貸」「劇場・映画館・ゴルフ練習場等の不動産賃貸」「駐車台数10台以上の建築物である駐車場又は機械設備を設けた駐車場の賃貸」「戸建て5棟以上、マンション10室以上の部屋の賃貸」というものでした。

(引用元:国家公務員法第103条と地方公務員法第38条)

つまり、この条文にある規模より小さければ「自営」には当てはまらないということです。

①戸建て4棟以下、区分マンション9室以下の賃貸で、
②賃貸収入年間500万円以下

であれば、不動産投資を行うことは十分可能なのです。

3)自治体の活性化に役立つ印象を与えること

さらに地方公務員ですと、自治体の需要を把握して地方活性化に役立つ印象を与えることで、申請が通りやすくなることもあります。

特に公務員は金融機関も融資をしやすいというメリットもありますから、不動産投資の一歩を踏み出す際の参考にしてみて下さい。

公務員でも不動産投資なら法人化できる?

法人が不動産投資をする

不動産投資は法人化すれば、5棟10室以上の運営ができますし、節税効果も顕著になるメリットがあります。

公務員は資産管理法人を設立しても良いのでしょうか。

実は、いくつかの注意点を守れば、法人化は可能です。

まず、公務員自身が法人の代表取締役や役員にならないことです。

自身を代表取締役にしてしまうと公務員法に違反してしまう可能性があります。

そこで、妻や夫など自分の配偶者を代表取締役にすれば大丈夫です。

その際には公務員本人が株式を100%持つことです。

こうすれば、融資を受ける時にも不利になることはありません。

また株式会社の所在地は自宅以外にすると良いでしょう。

税務署の調査があった場合には、自宅だと誤解を招きかねませんから、可能ならばレンタルオフィスや、登記できるバーチャルオフィスも検討してみるのも一考です。

最後に注意したいのは、役員報酬の受け取りです。

公務員が役員報酬を受け取ると公務員法に抵触する可能性があります。

そこで、代表取締役に立てた配偶者に給与という名目で賃料を渡すと良いと思います。

公務員でも、このような点を守れば、合法的に不動産投資を法人化することはできます。

公務員が不動産投資を行うメリット

公務員と不動産投資のメリット

公務員が不動産投資を行う場合は、既定の範囲内で運営しなくてはなりませんが、それほど手広く行わなくても、十分不動産投資のメリットを生かすことはできます。

では、これから公務員が不動産投資をするメリットを4つご紹介していきましょう。

 1)融資が受けやすい

公務員が不動産投資をする場合、民間企業の会社員より有利なのは、融資を受ける時です。

公務員は、医師や弁護士などの有資格者に続いて融資を受けやすい職業といわれます。

融資する側の金融機関から見ると、年収が高く、景気に左右されない安定感がある公務員は、投資回収がしやすいと言えます。

つまり属性が高い層と判断されます。

金融機関が投資用にパッケージ化している融資商品は、こうした安定した職業についている層向けに設計していることが多いです。

一般的な会社員に比べて公務員は融資が受けやすく、購入できる物件の選択の幅も増えるので、良い物件を手に入れやすくなるメリットもあります。

 2)節税対策になる

不動産投資を始めるきっかけが、節税目的の公務員の方も少なくありません。

不動産投資が節税対策になる理由は、賃貸経営をする際の管理費や修繕費、固定資産税などの経費を所得から差し引くことができるためです。

公務員の所得と賃貸経営の収入を合算した総所得から、不動産投資の経費を差し引くことで課税所得を減額できるのです。

こうすると支払う税金が減りますから、節税対策につながるということです。

 3)生命保険の一つにできる

30代の公務員ですと自分に万が一のことがあったらと、生命保険に加入していることが多いと思います。

不動産投資の融資を受ける際に、任意で団体信用生命保険に加入することができます。

これが、自分が死亡したり高度障害になった場合の生命保険代わりになるのです。

もしローンの返済ができなくなった場合は、団体信用生命保険会社がローンの残額を支払ってくれます。

つまりローンが完済された収益物件を家族に残すことができますから、物件は生命保険代わりに家族の生活を支えてくれることになります。

 4)不労所得を得て資産形成ができる

30代公務員であれば家族を養い、住宅ローンや子供の学資資金にお金がかかり、自分たちの老後まで考えられない、というのが実情かもしれません。

そんな場合にも不動産投資をすれば、節税できた分や不労所得分を貯蓄に回して資産形成ができます。

また公務員の場合は、小規模で行わなければならないという点が、かえって失敗のリスクも少なく、長期安定経営が継続できるという点で有利といえます。

ちょうど退職の頃にローンが完済し、手元には年金にプラスして収益物件が残るという、理想的な投資スタイルが可能です。

公務員が不動産投資を行う際の注意点

公務員と不動産投資の注意点

公務員が不動産投資を行う際に、最も気を付けたいのが規定違反になることです。

公務員法に違反すると懲戒処分を受けてしまうこともあるため、必ず規定範囲内で不動産投資を行ってください。

ここからは、公務員が不動産投資をする際に注意したい3つのことをご紹介してみます。

 1)49室までの範囲内で行うこと

不動産投資は、公務員法に定められた範囲内で行えば問題はありません。

その規定内規模とはアパートやマンションを4棟以下区分マンション9室以下となっています。

国家公務員法第103条と地方公務員法第38条によると、「戸建て5棟以上、マンション10室以上の部屋の賃貸」という規模は自営とみなされます。

つまり、これより小さい規模は自営に当てはまらないということです。

「戸建て4棟以下、区分マンション9室以下の部屋の賃貸」であれば不動産投資を行うことは、十分可能です。

 2)賃貸収入は年額500万円未満で

さらに、国家公務員法第103条と地方公務員法第38条によると「年間500万円以上の賃料収入がある不動産又は駐車場の賃貸」は、自営としてみなされてしまいます。

例えば東京都心ワンルームマンション1室は、月額の家賃相場は89万円です。

年間でおよそ100万円の賃貸収入ですから、まずは初心者にとっては問題ない部分かと思います。

 3)管理業務を自分でしないこと

収益物件の管理業務は、全て管理会社に委託してください。

修繕や管理業務なども、自分で修理したり、業者を自分で探すということはせずに、委託する管理会社に任せた方が良いでしょう。

本業も忙しいと思いますので、まず本業を優先して不労所得を得るに徹することが大事です。

公務員が自分で管理してしまうと、賃貸経営を専業で行っていることとみなされかねません。副業禁止規定に抵触してしまいます。

公務員が不動産投資で失敗してしまう事例3選

公務員が不動産投資で失敗

公務員という職業は、不動産投資をする上で高い信用があり、とても有利です。

ただその反面、公務員だからこそ、陥りやすい失敗というものがあります。

そこでここから、公務員が不動産投資において失敗してしまうケースと、それに対する対策をセットにして解説したいと思います。

信用があるために失敗しまったケース

不動産会社に勤務する大学時代の先輩から不動産投資の話を聞いて、自分もやってみようと思った30代公務員のMさん。

やり手営業マンの先輩は、公務員がいかに不動産投資に有利かを、巧みな話術で説得してきました。

Mさんは予備知識がないまま、ついその口車に乗せられて、1棟アパートの契約をしそうになりました。

後から考えると仲介手数料を高く取りたいために、1棟アパートを勧めていたと気づき後悔しました。

つまり、融資額の限界ラインの物件を売りつけようとしていたのです。

金融機関に信用度が高い公務員は、不動産会社からしてみれば一番の優良顧客なのです。

実際、利回りで比較すると区分マンションより高利回りだったため、上手く説得されてしまうとことでした。

不動産会社は、その人の融資可能額を基準に勧める物件を決めています。

5,000万円の融資が可能な公務員に1,000万円の区分マンションを勧めたりしないのです。

公務員の方の場合は、副業禁止規定もありますから、いきなり1棟物件を購入するのをやめて、区分マンションなどを手始めに投資するようにすると良いかもしれません。

事業経営の意識が甘く失敗したケース

投資用の新築ワンルームマンションを、販売会社から買って収益が出なかった38歳公務員のTさん。

2年前に、東京都内駅徒歩7分の2,480万円新築ワンルームマンションを、フルローンで購入しました。

25.70㎡の高級賃貸マンションで、立地条件も良く入居者はすぐ決まりました。

家賃は90,500円で、ここから管理修繕費で11,000円と、ローン返済77,455円を差し引いて、月額2,045円(年額24,540円)が残るという物件です。

収支計画としては、これに年間8万円の固定資産税を支払って、確定申告で赤字申告をすれば税金の還付があり、最終的に15万円程度が残るはずでした。

しかし実際には税金の戻りがほとんどありませんでした。

理由は6年前に購入した自宅の住宅ローン控除で、既に還付金を受けていたためでした。

つまり家賃年間収入24,540円から固定資産税80,000円を引いたら▲5万円の収支です。

公務員は営利を目的とした企業ではありませんから、事業経営の基本的なスタンスに若干心配があります。

自覚がないまま割高な収益物件を買わされてしまうということも起こり得ますのでしっかり収支計画を立てましょう。

不動産投資を始めた理由が楽観的すぎて失敗したケース

30代前半の公務員Jさんは、自分自身の小遣い欲しさに、所管庁にも妻にも内緒で始めました。

ある日、職場に名指しで電話がかかって、中古マンションのオーナーになりませんか、と勧誘されます。

仕事中だったので断ると毎日かかってくるようになり、携帯番号を教えてしまいました。

「公務員ですと低金利でお金を貸してくれます」「ワンルームだから購入資金も少なくて済みます」「駅に近いので、空き室になることはありません」。

また「公務員でも不動産投資は副業として認められています」と言われ、実際に調べたてその通りだったので、信用してしまったのです。

しかし実際には、修繕がかさみ、管理修繕費も値上がりした時点で、それほど収益が出ないと判断しました。

さらに、職場へ電話が何度もあって疑われバレそうになったので、売却して損失を出してしまいます。

公務員の方は、不動産投資をしていることを知られたくないため、申請せずに始めるケースもあります。

公務員を解雇されるリスクを負っている、ということは忘れないようにしたいものです。

まとめ

以上、公務員と不動産投資についてお伝えして参りました。

おすすめしたい不動産投資の仕方について、多少なりとも参考になればと思います。

不動産投資を始める上で大切なのは、安定した収益を得られるようになることです。

せっかくの本業である公務員という立場を失っては意味がありませんから、投資の規模と収支計画をしっかり立てましょう。

そして不動産業者の勧誘にはくれぐれも注意して、納得のできる無理のない投資を心がけてください。

公務員にとって不動産投資は、適切な投資法であるかぎりはメリットを実感できるものと思います。

不動産投資が節税になる理由

この記事が為になったら知人に教えよう!