投資商品は、種類によってリスクの程度に違いがあります。
一般的にリスクの低いものはリターンが小さく、リスクの高いものはリターンの大きい点が特徴です。
ローリスクの投資商品を長期的に運用して利益を積み重ねていく方法もあれば、短期間で大きな利益を狙う方法もあり、各自の投資方針によって取り組み方が異なります。
大きな利益が見込める代わりに、危険性の高い投資商品は、確実なリスク管理が非常に重要です。
事前に様々なリスクを調査し、それが実際に発生した場合の対処方法について明確にしておくことが大切です。
そのためには、継続した勉強や、情報を敏感に察知する能力を磨いていく必要があります。
不動産投資はまさにこれが必要になる分野です。
不動産投資家に勉強家が多い理由
ここでの不動産投資家とは、実際に自分で不動産を運営しオーナー(大家)になることが中心の意味です。
自分で物件を選定するためには、様々な不動産に関する知識が必要です。
誤った物件を購入すれば大きな損失につながります。
損失の拡大を防ごうと売却を考えても、株式などと違ってそう簡単に売れない場合があります。
売却まで時間がかかり、結果として損失がさらに拡大していく可能性も考えられます。
賃貸不動産では、思ったような家賃収入が入らなければ資産のピンチに見舞われます。
物件は経年劣化し、時には地震や台風などの自然災害で危険にさらされることもあります。
資産価値を維持するために建物の修繕を行えば、もちろんそこでの費用もかかります。
個人で不動産を運営するということは、様々なリスクを想定し、それを防ぐための手立てを施す必要があります。
実際にリスクが現実化になった最悪の場合にも、冷静な対処方法が求められます。
的確な物件選びについては、しっかりした知識と情報収集は欠かせません。
不動産投資家に勉強家が多い理由は、学ぶべきことや配慮すべきことが多い点に理由があります。
成功を収めれば安定した収入が見込まれますが、裏目に出た場合は借金を抱えるリスクもあります。
不動産を取り巻く環境は、その時々の経済状況によっても変化します。
そのため継続した勉強が必要な分野です。
不動産投資を知識を増やすための勉強方法
不動産投資を軌道に乗せるためには、どのような勉強方法を選ぶかがポイントです。
複数の勉強方法を組み合わせることで、それだけ多くの知識や情報が手に入ります。
また、不動産投資に知識のない初心者の場合もあれば、ある程度知識を持っている場合もあります。
ここでは、初心者から経験者まで幅広い層が利用できる勉強方法について、それぞれのメリットを書いてみましょう。
セミナーに参加する
不動産セミナーに参加することで、最新情報に触れ、普段学べないような深い知識を得ることができる場合があります。
講師は不動産業界に精通しており、その専門家に質問できる点もメリットです。
他のセミナー参加者と知り合いになる機会もあり、横のつながりとして人脈を広げる意味でも有効です。
不動産セミナーには様々な形式があります。
初心者向けセミナー、全般向けセミナー、特定分野に絞ったセミナー、資金調達方法のセミナーなど、自分にとって適切な内容のものを選ぶことが必要です。
それほど不動産知識のない人がレベルの高いセミナーに参加すれば、内容がほとんど理解できないようなことになるおそれがあるためです。
また、誰がセミナーを主催しているかも重要です。
不動産会社が主催しているケースや、個人として不動産投資に成功を収めている人が主催している場合もあります。
セミナー自体は限られた時間内で行われます。
決まった時間の中で、中身の濃い内容を伝える能力が主催者に求められます。
会社であれ個人であれ、どのような人物が実際の講演を担当するかを事前に調べておくことが大切です。
聞きたいことがあれば積極的に質問して、参加メリットを最大限に活かす姿勢が必要です。
コミュニティに参加する
不動産コミュニティを利用することも、メリットある方法です。
セミナーが「先生対生徒」という関係であるのに対し、コミュニティは横のつながりに特徴があります。
一方的に講師が知識を伝えるというよりも、みんなで学び合うという姿勢です。
不動産投資は情報収集が重要であり、様々な人が持つ個別の情報に触れることのできるコミュニティは積極活用できます。
但し、コミュニティによってはセミナー色に近いものもあれば、純粋なコミュニティとして運営されているものもあります。
コミュニティとセミナーのメリットを融合させた独自コミュニティを運営しているケースもあります。
コミュニティという名称だけで判断するのではなく、実際にどのようなシステムなのか、安全な場所なのか、参加メンバーの特徴はどうか、自分に合っているのかなど、様々な面から検討することが大切です。
費用に関しては、無料参加者と有料参加者で、利用できるサービスに違いを設けている場合もあります。
コミュニティのメリットは、人脈を広げるチャンスが増える点です。
自分より情報量や知識量の豊富な人から学ぶこともできれば、同じような人と仲間になることで成長していくモチベーションを高めることもできます。
実際に不動産投資を行った人の成功体験や失敗体験などが聞けることも、今後の不動産投資を行う上で参考になります。
あまり敷居の高さがなく、刺激し合える仲間ができることは、コミュニティ利用の大きなメリットです。
スムーズな情報交換や交流が図れるコミュニティの特徴をよく理解して利用することが大切です。
本を読む
不動産投資を本から学ぶことは、最も簡単にできる方法です。
費用もあまりかからず、有益な情報がいつでも手に入る点がメリットです。
書籍での勉強は、体系的に不動産投資を学べる点で利用価値が高いものです。
セミナーなどでは、重要な部分をピックアップした説明になることが多く、一つずつ細かく体系立てて学ぶことが難しい面もあります。
不動産投資について一定の知識がなければ、内容が理解できないセミナーもあります。
理解不足の状態で、内容だけがどんどん進行していくケースも考えられます。
本での勉強は、こういったデメリットを回避できます。
本を読んでいる中で理解できない点があれば、そこで立ち止まって何度も読み直すことができるからです。
本を読みながら、インターネット上のサイトを使って関連項目を調べることも可能です。
内容を繰り返し確認することで、自分のペースに合った知識の定着を図ることもできます。
不動産投資に関する書籍は、様々なものが出版されています。
内容も多岐にわたっており、タイトルや目次などから本の方向性が判断できます。
購入前に中身を確かめることもできるため、的外れなものを選ぶ心配も少なく、現在の自分に適したものが見つかります。
専門書のようなものもありますが、一般ユーザー向けの理解しやすい内容の本が多数を占めています。
不動産投資をこれから勉強し始める人も、まずは適切な書籍を読破することから取り組めば、スムーズな勉強が可能になります。
また、その本の執筆者がウェブサイトの運営やセミナーを実施しているケースもあります。
書籍の内容に満足すれば、今度はウェブサイトやセミナーを通じて、同じ人のもとで勉強していくこともできます。
YouTubeで不動産投資家の動画を見てみる
YouTubeを利用して不動産投資を学ぶこともできます。
YouTubeには多種多様な分野の動画が投稿されていますが、不動産投資家が動画投稿しているケースもあります。
机の上の勉強とは違って、気楽に閲覧できる点が動画視聴のメリットです。
但し、YouTube上に流れている投資関連の動画には、様々なレベルがあります。
実際に不動産投資家として深い知識を持つ人の動画もあれば、知識が浅く、勧誘だけが目的の怪しげな動画もあります。
その動画の良し悪しを見抜くためには、自分で一定程度の不動産投資の知識を身につけておく必要があります。
ある程度知識があれば、動画の投稿者がどの程度の不動産投資のレベルかについて判断も可能になります。
動画視聴のデメリットは、内容が単発的であるため、体系的な勉強がしにくい点にあります。
書籍やサイト等を活用しながら自分でしっかり勉強して、その上で動画視聴も勉強方法の一つとして組み入れることが適切です。
実際に少額からでも不動産物件に投資をしてみる
一般的に多額の資金が必要とされる不動産投資ですが、少額で取り組む方法もあります。
「REIT」や「ソーシャルレンディング」などを利用する方法です。
REIT(リート)とは不動産投資信託のことであり、ファンドが多数の投資家からお金を集めて、不動産売買や運営などを行います。
実際の不動産運営はファンドが行うため、投資家の側からは任せる形の不動産投資になります。
少額の投資資金からスタートできる点がメリットであり、リスクを抑えた投資が可能です。
REITが不動産に関する投資信託であるのに対し、ソーシャルレンディングは「融資」という形の投資方法です。
投資家が企業にお金を貸し付け、その利息を得るものです。
ソーシャルレンディングでは1万円から投資が可能なものがあり、こちらもリスクは低くなっています。
REITとソーシャルレンディングに共通する部分は、低リスクで初心者にも簡単に取り組める点にあります。
不動産投資に対する知識も必要なく、少額の予算で実際の不動産投資を間接的に体験することができます。
実際に自分がオーナーになって不動産投資を行うことを目標にしている人も、最初はこのような手軽に取り組めるものからスタートすることで、不動産投資に対する知識を少しずつ身につけていくことができます。
不動産投資に失敗する人はどんな人?
自分で不動産オーナーになるためには、多額の資金が必要です。
ところが大きな資金を動かしているという自覚が薄く、勉強不足のまま不動産投資にのめり込む人が、失敗する典型的なパターンです。
「不労所得が可能」というような宣伝文句に、安易に乗っかってしまうようなタイプの人も要注意です。
実際に不動産投資をすることはオーナーになることであり、まさに自分自身が事業主体になることを意味します。
その自覚に乏しい人が、失敗する人に多く見受けられます。
退職金のような大きな収入が入ってきた時にも注意する必要があります。
気が大きくなって、大金を使うことに対する抵抗感が薄くなることがあるからです。
不動産投資は、絶え間ない勉強と用意周到な計画性が必要な投資です。
決して簡単な不労所得ではなく、逆に一層の努力が求められるものです。
まとめ
不動産投資を行うためには、資金管理が極めて重要です。
きちんとした計画に基づかない金銭の使い方は危険性を高めます。
資金管理を適切に行い、様々なリスクを想定した対策を考え、しっかりした計画性の基に投資を進めていくことが重要です。
現在では、ハウスメーカーに不動産の運営管理を任せる方法もあります。
簡単そうに見えるこの方法も、実際はハウスメーカーに払う手数料など、不動産オーナーにとってデメリットになる部分があります。
不動産投資で成功するためには、 失敗パターンをよく検証し、絶えず人脈を広げる意識も持ちながら、積極的な情報収集を心がけることが大切です。