不動産投資は、株や仮想通貨、FXとは違って営業マンたちの“営業電話”によって勧められ、その世界に足を踏み入れることが多い資産運用方法です。
つまり、それだけ営業電話が多いことを意味しています。
営業電話が何度も何度もかかってくるのには迷惑だと感じている人は少なくありません。
そこでこの記事では、
・なぜ不動産投資の電話が多いのか
・不動産投資のしつこい営業の対処方法
など不動産投資の営業に関して詳しく解説します。
不動産投資の営業電話が多い理由
不動産投資に関する営業は、営業電話による勧誘が多いです。
なぜ、不動産投資の営業電話が多いのでしょうか。
その主な理由は以下の二つです。
・不動産営業の基本
・断られても営業マンを変えて何度も営業する
不動産営業の基本
理由の一つは、電話が不動産投資営業の基本だからです。
不動産投資の営業電話は業界用語で“テレアポ”と言われています。営業というと、営業マンが自宅を訪問するイメージがありますが、電話を次々とかけて“数打ちゃあたる戦法”が一番効率的と考えられているのです。
断られても他の営業マンに担当を変えて何度も営業電話をかける
理由の二つ目は、営業を断られても他の営業マンに担当を変えて何度も営業電話をかけてくるから。
少し話が変わりますが、なぜ、なんの関係もない不動産業者が自分の名前などを知っているのか疑問に思ったことはないでしょうか。
実は、氏名・電話番号・居住都道府県・年代といったものを纏めた社会人の個人情報リスト(通称、ビジネスマンデータ)を個人情報提供会社(通称、名簿販売業者)が不動産業者に販売しているから名前などを知っているんです。
自分のビジネスマンデータを勝手に販売されるなんて気味が悪いですが、このレベルのデータの売買は個人情報保護法に定められている「第三者提供」に違反しないので違法ではないのです。
では、話を戻しましょう。
このビジネスマンデータの売買がしつこい不動産投資の営業電話に深く関係しています。
不動産業者は、ビジネスマンデータを手に入れるために少なくないお金を使っています。
このため、一度不動産投資の営業電話を断られたからといって簡単には諦めるたりはしません。
不動産投資の営業電話を断られた不動産業者は、数日~数ヵ月の時間を置き、別の営業マンに担当を変えて再度営業を繰り返すのです。
また、時には架空の不動産業者を名乗って、絶え間無く営業電話をかけてくることもあります。
実は不動産投資の営業マンは物件を買ってない?その理由は?
不動産投資の営業マンは、儲かるからと不動産投資を勧めてくる営業電話をかけてきます。
不動産投資の営業電話を受けたときに、「そんなに儲かるなら営業マンも自分でも投資をしているのかな?」と思ったことはないでしょうか。
実は、衝撃的な事実があります。
不動産投資の営業マンは、さんざん儲かるからと不動産投資を勧めてくるのに、自分では投資をしていないことが大変多いです。
不動産投資の営業マンが不動産投資をしない理由は、以下の二つのパターンに分類されます。
・最初から不動産投資をする気がない
・不動産投資をしたいけどできない
最初から不動産投資をする気がない
まずは、最初から不動産投資をする気がないという場合です。
不動産投資を最初からする気がない主な理由は以下の二つに分類できます。
・不動産営業だけで十分に収入を得られるからリスクをとって投資する必要がない
・自社の不動産投資を投資対象としては不適切だと内心思っている
まずは、不動産営業だけで十分に収入を得られるからリスクをとって投資する必要がないという理由。
不動産投資は家賃収入で考えた場合、年間手取り利回りは平均5%程度です。
2,000万円の収益不動産に投資をした場合、家賃収入の手取り収入金額は100万円程度となります。
これは不動産投資がうまくいった場合であり、家賃収入が入らないなどの投資リスクは日常茶飯事で、常に「家賃収入が入らなかったらどうしよう…」と心労を抱えている場合もあります。
しかも、不動産投資の営業マンが感じるこの心労は一般人の比ではありません。
業界関係者だからこそ、不動産投資に失敗して路頭に迷う実例を深く知っており、リアルに想像できてしまうんです。
それに対して、不動産投資の営業を頑張った場合、販売インセンティブによって収益不動産の販売一軒ごとに数十万円がもらえます。
販売インセンティブとは、簡単に言えば販売成功ボーナスです。
不動産投資の契約を頑張れば頑張るほどに、不動産投資とは違ってノーリスクで堅実に、しかもより多額の収入を得ることができるのですから、不動産投資の営業マンは自分で不動産投資をすることが少なくなっています。
もう一つは、自社の不動産投資を投資対象としては不適切だと内心思っているという最悪な理由。
質の悪い不動産業者の営業マンは、「この投資対象では利益を得るのは難しい」と内心思っている不適切な商品を、さも素晴らしい投資商品であるかのように営業します。
当然ながら、不適切な商品だと理解しているので、自分で投資することはありません。
不動産投資をしたいけどできない
次に、不動産投資をしたいけどできないという理由もあります。
不動産投資とは、まず初期資金が必要です。
中古のワンルームを購入するだけでも、都心ならば1,000万円程度は最低でも必要。
このため、不動産投資営業マンは基本的に「投資用ローン」を使って不動産投資をします。
しかし、この投資用ローンが利用できない場合も。
投資用ローンが利用できない理由は以下の二つです。
・金融機関の懸念
・属性不足
まずは、金融機関の懸念です。
悪徳業者が売れ残りの収益物件を社員に無理矢理買わせるケースがあり、それを見抜いた金融機関がローンを許可しないことがあるそうです。
もう一つは、属性不足です。
投資用ローンを利用するには、年収、勤続年数、ローン残債、完済時年齢といった“属性”が、金融機関の定める一定の条件をクリアしている必要があります。
この属性が不足している場合、ローンはおりません。
ちなみに、この理由は誰が聞いても納得できる唯一の問題ない理由です。
このため、不動産投資の営業をしている際に、不動産投資を自分でしない理由を聞かれる際の言い訳として頻繁に使われています。
良い不動産投資の営業マンの見分け方
不動産投資の営業マンには、良い営業マン、悪い営業マンがいます。
良い営業マンを見分けるポイントは以下の三つです。
・投資のリスクを自発的に伝える
・レスポンスが早い
・購入を急がせない
投資のリスクを自発的に伝える
良い営業マンを見分けるポイントの一つは、投資のリスクを自発的に伝えるかどうか。
不動産投資は“投資”です。
投資とは、多かれ少なかれ損失リスクがあります。
損失リスクのない投資などはこの世に存在しません。
不動産という多額のお金を使う投資の場合、その損失リスクは莫大なものとなります。
不動産投資とは、投資方法によってはハイリスクハイリターンとなることもあります。
それにもかかわらず、不動産投資の“儲かる”という良い側面だけを伝えて、損失リスクがあることを伝えないのは悪い営業マンです。
良い営業マンは、自発的に損失リスクがあることを伝えてくれます。
レスポンスが早い
電話やメールなどをした時のレスポンスの早さも良い営業マンを見分けるポイントです。
営業マンが一人で何人もの担当をしていることは普通ですが、良い営業マンは客の優先度に順位をつけず、多額の投資をしてくれる客にも、少なめな金額の投資をする客にも平等に接して丁寧な対応をします。
このため、どんな客に対しても電話やメールなどで問いあわせがあったら早いレスポンスを見せます。
しかし、悪い営業マンは多額の投資をしてくれる客を優先して少額の客に対しては優先順位を落とします。
このため、少額の客から電話やメールがあっても多額の投資をしている客への対応を優先して、少額の客に対しては不親切な対応をして「今は対応できかねるから待ってほしい」などの連絡すらせずに放置することすらあります。
つまり、どんな客に対しても早いレスポンスを見せる営業マンが良い営業マンなわけです。
購入を急がせない
不動産というとは、人生設計を大きく左右する一大イベントです。
良い営業マンは、慎重に考える時間をくれて購入を急がせません。
しかし、悪い営業マンは自分の営業ノルマのことしか考えていないので、客の人生設計を左右することを忘れてとにかく購入を急がせます。
不動産投資の営業マンの黒い噂。枕営業をしてるって本当?
不動産投資の営業マンには、枕営業をしているという黒い噂があります。
この噂は、事実です。
営業ノルマを達成するために自分の体を使ってでも契約をとろうとする営業マンは少なからず存在します。
しかも、枕営業というと女性営業マンがするイメージがありますが、女性客に対して男性営業マンが枕営業することもあります。
とはいえ、もちろんほとんどの営業マンは真面目に一生懸命頑張っています。
全ての人を色眼鏡ではみれませんが、あの手この手を使う悪い営業マンだけは、避けるように見極めましょう。
迷惑な不動産投資の営業電話から逃れる為の対処方法
不動産投資なんてするつもりがないのにかかってくる迷惑な不動産投資の営業電話。
そんな営業電話に対処する方法が以下の2つです。
興味を見せずに即座に断る
まずは、興味を見せずに即座に断ることが大切です。
興味を少しでも見せれば付け入る隙があると思われて、営業がしつこくなります。
このため、不動産投資営業であることを確認したら、「すみませんが、不動産投資には興味はない」と伝えましょう。
興味をないことを伝えたら相手の返事を待たずに一方的に電話をきっても問題ありません。
借り入れが多くて投資用ローンを利用できないと伝える
もう一つの対処方法は、投資用ローンを利用できないと嘘をつくこと。
不動産投資は投資用ローンが利用できなければ基本的に難しいですので、「借り入れが多くて投資用ローンが利用できない」と伝えて営業電話を撃退しましょう。
対処法としては以下の記事にもまとめてあります。こちらもぜひご覧ください!
まとめ
不動産投資の基本的な営業方法は営業電話です。
名簿販売業者から買った個人情報を使うため、元を取ろうとしつこくなります。
不動産投資に興味がないならば、興味を一切見せずに一方的に電話を切りましょう。
もし不動産投資に興味があるならば、投資による損失リスクを伝えてくれるような良い営業マンを頼って不動産投資するようにしましょう。