自分が保有している物件の管理を不動産管理会社に任せてみたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
不動産管理会社には、全国を網羅している大手の管理会社と地域に密着している地方の管理会社の二つに大きく分かれています。
漠然と不動産の管理を任せるなら大手と考えている人もいるかもしれません。
確かに、大手の不動産管理会社では幅広いサービスを受けることができますし、サービスの質も高いという特徴があります。
しかし、物件やオーナーの状況によっては、大手の不動産管理会社よりも地方の管理会社を利用したほうが良い場合もあるのです。
今回は、大手不動産管理会社を紹介していきながら、そのメリットやデメリットを地方の管理会社等と比較していきながら解説していきます。
大手不動産管理会社一覧
まず、主要な大手不動産管理会社について紹介していきます。
それぞれの会社の特徴等を比較していきながら参考にしてみてください。
1.スターツコーポレーション株式会社
スターツコーポレーション株式会社は、東京都中央区日本橋に本社を置く東証一部上場企業です。
東京、千葉、埼玉、神奈川等の関東圏を中心に、不動産の賃貸や仲介、管理等を手掛けています。
スターツコーポレーションでは、管理状況をオーナーがいつでも確認できるようにWeb閲覧システムのサービスを提供しています。
Web閲覧システムは、精算書や定期巡回報告書、消防点検報告書や賃貸状況の確認等をWeb上でいつでも行うことができるサービスとなっています。
またメンテナンスサービスとして、室内のハウスクリーニングサービスや退去立会い、原状回復や24時間対応のコールセンターまでワンストップサービスを提供しています。
2.株式会社大京
株式会社大京は、東京都渋谷区千駄ヶ谷に本社を置く大手不動産会社です。
長らく東証一部上場企業でしたが、2019年の株式公開買い付けにより、金融持株会社の大手であるオリックスグループの100パーセント子会社となりました。
大京では、グループ会社の大京アステージと穴吹コミュニティが不動産管理事業を行っています。
こちらも豊富な実績と経験があり、マネジメントからメンテナンスサービスまで手掛けています。
また、建物の劣化防止やバリューアップ工事も行なっており、バリアフリー工事やエレベーター改良工事等の実績もあります。
大京ではサービスの品質管理に力を入れており、徹底した研修体制や情報の一元管理等、管理クオリティの向上に力を入れ続けています。
3.日本管財株式会社
日本管財株式会社は東京都中央区に本社を置き、兵庫県西宮市に本店を置いている建物管理事業を中心に運営されている東証一部上場企業です。
日本管財は、不動産開発等は行っておらず、独立系の管理会社として適正な管理業務を務めています。
管理専業という強みを活かして、無駄のないメンテナンス計画やマネジメントサポートを行なっています。
人材育成にも力を入れており、幅広いチャンネルから採用された人物を高い技術力のある人材へと育成しています。
また、家事代行サービス大手のベアーズとも提携しており、ライフサポート事業にも力を入れています。
4.三井ホーム株式会社
三井ホーム株式会社は東京都新宿区に本社を置くハウスメーカーで、不動産関連事業を展開しています。
三井グループの企業であり三井不動産株式会社の100パーセント子会社となります。
不動産管理に関する事業は三井ホームエステートが行っています。
包括的な賃貸管理サービスと、資産価値の向上を重視するプロパティマネジメントの双方のサービスを展開しています。
賃貸住宅オーナーとの信頼関係を重視しており、季刊誌の発行や懇親会等のイベントの企画等も行っています。
また、マスターリース方式のサブリースも行なっており、オーナーの煩雑な業務をすべて請け負うサービスも行なっています。
5.株式会社エフ・ジェー・ネクスト
株式会社エフ・ジェー・ネクストは、東京都新宿区に本社を置く東証一部上場企業です。
エフ・ジェー・ネクストでは、資産運用を目的としたマンションの開発販売を中心に、不動産管理事業も展開しています。
家主代行システムやサブリースシステムのサービスを提供しており、賃貸住宅オーナーの資金管理サービスも行っています。
またエフ・ジェー・ネクストでは、管理業務の質を上げていくため、フロントマンや事務スタッフから管理員や清掃スタッフまで自社直接雇用の社員で構成しています。
このような点から、入居者に快適な生活を送ってもらうためのこだわりが伺えます。
6.日本管理センター株式会社
日本管理センター株式会社は、東京都千代田区に本社を置く東証一部上場企業で、日本全国でサブリース事業を展開している会社です。
企業理念である賃貸住宅オーナーの資産最大化を目標とした管理業務を徹底しており、全国の賃貸住宅オーナーからの信頼が厚い会社です。
日本管理センターはハウスメーカーを除くサブリース専業企業として、管理戸数が全国トップクラスの水準となっています。
全国に1400社を超えるパートナー企業と提携しており、強力なネットワークの形成も行っています。
また、10年固定の家賃保証や最長35年の長期家賃保証、収益分配型サブリース等、多様なサブリースシステムを提供しています。
7.大和ハウス工業株式会社
大和ハウス工業は、大阪市北区梅田に本社を置く東証一部上場企業です。
大和ハウス工業のグループ会社である大和ライフネクストが不動産管理事業を行っています。
日本全国で4200棟の管理組合サポートで蓄積されたデータを基に最適なバックアップ体制を構築しています。大規模修繕工事に定評があり年間100棟以上の実績があります。
設計管理方式を採用しており信頼性や透明性の高い修繕工事を行っていますよ。
また、満足度アンケートを実施しており、常に入居者の評価をフィードバックする仕組みを採用しています。
透明性の高い修繕計画を採用しており、資産の安全かつ確実な管理に努めています。
大手不動産管理会社の特徴
大手不動産管理会社では、質の高いサービスや安定した業務を行っているという特徴があります。大手不動産管理会社を利用するメリットとデメリットを紹介していきます。
利用するメリット
まずは、大手の不動産管理会社を利用するメリットから紹介していきます。大手の強みは、ずばり安定性と信頼性です。
安定した管理体制
大手の不動産管理会社は、集客力が高く厚い顧客基盤を持っているため、安定した管理体制を構築しています。
各種サポートに分業化され、専門の職員が配置されているため組織的な対応をすることができます。
大手不動産管理会社では職員の採用や教育のノウハウもあり、人員の供給面でも安定しています。
また、フィードバックの仕組みも確立しており、顧客満足度も安定して高い傾向にあります。
質の高い管理が期待できる
大手の不動産管理会社では、より質の高い管理を期待することができるようになります。
会社の規模の大きさを強みとして、顧客状況に合わせた柔軟なサービスを提供してくれます。
また、各サービスの専門分野が詳細に分かれており、その分野に精通した担当者が適切な業務を行なっています。
専門の子会社を設立したり、他の大手企業と提携する等をしてサービスの質の強化を図っている点も注目です。
豊富な実績があり信頼性が高い
大手の不動産管理会社では多くの物件を同時に管理しており、豊富な実績や高い信頼性があります。
集客力も高く、物件の状態次第ですが入居者も見つかりやすくなります。
管理戸数も多いため、トラブルシューティング等のノウハウも豊富です。
安定性や信頼性を重視するオーナーは、大手の不動産管理会社を選んだほうが良いでしょう。
利用するデメリット
不動産管理会社は、大手一択という訳ではありません。
大手の不動産管理会社にもデメリットがあります。
大手の不動産管理会社を選ぶデメリットについても挙げておきます。
費用が高くなる傾向がある
大手の不動産管理会社では、質が高く安定したサービスを提供してくれますが、費用が高くなってしまうというデメリットがあります。
不動産経営を上手く回していくためには、コストに対する意識を高めていく必要があります。
大手の不動産管理会社では、物件や投資戦略に見合わない過剰サービスによるコスト高がかさんでくる可能性がありますので注意しておきましょう。
対応の素早さに欠ける場合も
一般的に、大手の不動産管理会社では組織的な運営がなされています。
そのため、担当者に問題を報告しても会社の意思決定までに時間を要してしまうというケースがあります。
マニュアル通りの対応は迅速ですが、イレギュラーな事象が起こると対応の素早さに欠ける場合も考えられます。
地方不動産管理会社の特徴
地方不動産管理会社は、地域に根ざした不動産管理を行なっており、地元の不動産事情にも精通している会社が多いという特徴があります。
地方不動産管理会社を利用するメリットとデメリットを紹介していきます。
利用するメリット
地方不動産管理会社を利用するメリットを紹介します。地方不動産管理会社を選ぶ際には、地域性とサービスの柔軟性という点がポイントとなります。
地域の特徴を活かした戦略的な不動産投資をすることができる
不動産投資では、地域によって投資戦略が大きく変わってくることもあります。
その地域の特徴や住民の属性等で、家賃相場やターゲットとするべき入居者等も決まってくるからです。
地域密着型の地方不動産管理会社を利用することで、地域の特徴を活かした戦略的な不動産投資をすることができるようになるでしょう。
大手と比較してコストを抑えることができる
地方不動産管理会社は、大手不動産管理会社と比較してコストを抑えることができるというメリットもあります。
地方不動産管理会社では、管理費等の手数料自体が安いケースも多いですが、臨機応変に必要なサービスだけを選択することができるという点も挙げられます。
コスト意識が高い投資家の人は、地方の優良不動産管理会社を探してみましょう。
小回りが利くため柔軟な対応をしてもらうことができる
大手の不動産管理会社では、提供するサービスによって様々な部署に分かれており、担当者もバラバラで、対応に時間がかかってしまうケースがあります。
しかし、地方不動産管理会社では、一人の担当者が幅広く決裁権を持っていることが多いです。
そのため地方不動産管理会社では、大手不動産管理会社と比べて小回りが利くため、柔軟な対応をしてもらえるというメリットがあります。
不動産投資が初心者であるという人は、細かいことから親身に相談しやすい地方不動産管理会社の方が良い場合があるでしょう。
利用するデメリット
では、地方不動産管理会社を利用するデメリットも挙げておきます。
地方には様々な不動産管理会社がありますので、不動産管理会社を決める際にはデメリットにも注意していきながら選んでいきましょう。
集客力が弱い所もある
地方不動産管理会社では、大手の不動産管理会社と比べると、集客力が弱くなってしまうというケースが少なくありません。
地方の不動産管理会社は、大手と比べても予算が限られてきますので、多様な集客方法やネットワークの形成が弱くなってしまいます。
また、アナログな手法のみで集客をしているような不動産管理会社もあります。
サービスの安定性に欠ける事も
地方の不動産管理会社では、限られた人員で対応していることが多く、人手不足に陥ると、サービスの品質が一気に落ちてしまうおそれがあります。
また、大手の不動産管理会社と比較すると倒産したり、サービスの縮小を余儀なくされる可能性等も高くなり、事業の安定性に欠けるというデメリットも考えられます。
まとめ
以上、今回は不動産管理会社について、大手不動産管理会社と地方不動産管理会社の違いに焦点を当てながら解説していきました。
大手不動産管理会社には大手不動産管理会社のメリットやデメリットがあり、地方不動産管理会社には地方不動産管理会社のメリットやデメリットがあります。
自分がどのような不動産に投資をして不動産運営をしていくのかによって、選ぶべきパートナーも変わってきます。自分の不動産投資戦略に合った不動産管理会社を選んでいきましょう。