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不動産投資における繰り上げ返済のタイプとメリットデメリットを解説!

確定申告で知っておくべきこと

金融機関の融資を受けて不動産投資をしている方に、ぜひ知っておいていただきたいのが繰り上げ返済です。繰り上げ返済とは、ローンを組んだものとは別に一部を返済する方法で、総返済額を軽減できるものです。その方法には期間を短縮する方法と、毎月の返済額を安くする方法があり、それぞれの内容にも違いや特徴があります。

ここからは、その内容の違いメリットデメリットを解説していきます。どんなケースにどんな繰り上げ返済が効果的なのか自身のケースと照らしながら、不動産投資の参考にしてみてください。

不動産投資のローンを繰り上げ返済する方法

繰上げ返済する方法

不動産投資用のマンションを購入する際に、自己資金のほかに金融機関からの融資を受けてローンを組んでいるとします。その際に、月々のローン返済とは別に元本の一部、または全部を返済するのが繰り上げ返済です。もし、手元に資金の余裕がある場合、不動産投資ローンの一部を繰り上げて返済することができるので「繰り上げ返済」といいます。

繰り上げ返済の方法には2つの方法があります。毎月の返済額は変えずに、ローン返済の期間を短くできる「期間短縮型」と、返済する期間は変えずに毎月の返済額を軽減できる「返済額軽減型」です。

「期間短縮型」と「返済額軽減型」のどちらの方法を利用しても、ローンの総返済額は減らすことができます。ただし、この2つの方法にはそれぞれに特徴があります。

そこで「期間短縮型」と「返済額軽減型」とでは、返済期間や月々の返済額がどのように異なるのかを例を挙げながら説明してみたいと思います。

期間短縮型とは?

期間短縮型とは、文字通りローンの返済期間を短縮できる方法です。月々の返済金額は変わりません。繰り上げ返済した額がそのまま元金から引かれることで、短縮された期間の利息分が減少します。繰り上げ返済の全額が元金に充当できるので、その分の返済期間が短縮され、元金分の利息がなくなることになります。

では、例を挙げて「期間短縮型」の利息軽減効果をみてみましょう。

もし3000万円の不動産投資用物件を30年ローンで購入し、1年たって100万円を期間短縮型で繰り上げ返済したとします。金利は固定2%、ボーナス返済はなしです。この条件で100万円を繰り上げ返済すると利息の軽減額は836,075円になります。

■繰り上げ返済額 1,048,970円

■短縮できた期間 1年5か月

■利息の軽減効果 836,075円

この期間短縮型繰り上げ返済を計画的に利用していけば、ローンを組んだ時には定年退職後まで返済しなければならなかった返済が、退職までに完済することも可能なのです。

繰り上げ返済として返済額の効果が高いのは、期間短縮型です。ただ月々の返済額は同じなので、ローンを完済したときに初めてその効果を実感できることになります。

返済額軽減型とは?

返済額軽減型とは、返済期間はローンを組んだ時を変わりませんが、月々の返済金額を減らすことができます

元金が軽減できるのは期間短縮型と同じですが、繰り上げ返済した金額に応じた返済額を計算し直します。将来的に、毎月のローン負担を少なくしておきたい、低金利の固定金利期間が終了するまでにローン返済額を軽減させたい、などの場合に効果があるといえます。

元金が減った分の利息も減り、毎月の返済額も軽減できますが、総利息額を減らす効果は、期間短縮型より低くなります。しかし毎月の返済額は軽減できるので、その分を考慮すると、差はほとんどないともいえます。また月々の軽減分を資金にして、さらに繰り上げ返済もできます。すぐに軽減効果を実感しやすいのは、返済額軽減型かもしれません。

では、例を挙げて「返済額軽減型」の利息軽減効果をみてみましょう。

もし3000万円の不動産投資用物件を30年ローンで購入し、1年たって100万円を期間短縮型で繰り上げ返済したとします。金利は固定2%、ボーナス返済はなしです。この条件で100万円を繰り上げ返済すると利息の軽減額は330,560円になります。月々のローン軽減額は3,696円です。

■繰り上げ返済額 1,048,970円

■短縮できた期間 1年5か月

■利息の軽減効果 330,560円

■月々返済軽減額 3,696円

不動産投資のローンを繰り上げ返済するメリット

繰上げ返済のメリット

先ほどと同じこの条件で、繰り上げ返済をしない場合と、期間短縮型と返済額軽減型で繰り上げ返済をした場合を、以下のようにシミュレーションしてみました。

繰り上返済しない 期間短縮 返済額軽減
 毎月返済額 110,885円 110,885円 107,189円
 総返済額 39,918,600円 39,082,525円 39,588,040円
 残りの返済期間 29年 28年5ヵ月 29年

これをみてみると、期間短縮型では毎月返済額はそのままで、総返済額は約84万円、返済期間は1年半を減らすことができました。返済額軽減型では、返済期間はそのままで、毎月返済額は約3,700円、総返済額は約34万円を減らすことができました。

このような結果から、繰り上げ返済のメリットを3つ挙げてみましょう。

1) 利息軽減効果がある

一般的にローンの返済額は元金と利息の合計額になります。繰り上げ返済では、その返済金額分がすべて元金の返済に充当できるので、本来支払うことになっていた元金にかかる利息を軽減することができるのです。その結果、返済ローンの総額を減らすことができます

2)金利上昇リスクを軽減できる

支払う利息が減るということは、金利が上昇した場合のリスクに備えることができます。例えば低金利のうちに固定金利を組んだ場合、固定金利の期限がきたとき金利が上昇していたとします。その時ローン返済額が軽減していれば、金利上昇分もそれほど心配しなくてすむ、ということになります。

3)収支バランスが良化し、投資リスクが下がる

繰り上げ返済によって、月々のローン返済額が減るということは、賃貸経営の収益が上がります。収支バランスが改善され、投資のリスクを下げることができます。その効果を出したいのなら、返済額軽減型で早い時期に行うのが有利です。

また、2つのタイプがあることで、今後の資金計画を組みやすいというのもあります。できるかぎり利息額軽減効果を上げたい場合には、「期間短縮型」のメリットが大きいといえそうです。投資物件のリスクヘッジのためには、「返済額軽減型」が効果はあるといえるのではないでしょうか。

不動産投資のローンを繰り上げ返済するデメリット

繰上げ返済のデメリット

繰り上げ返済のメリットがあることが確かに分かりました。それに対して繰り上げ返済のデメリットも同様に考えておきたいと思います。

1)手持ちの資金が減る

投資用物件を購入する際に多額の自己資金を使った後で、繰り上げ返済することは難しいという人も多いと思います。物件を購入し、賃貸経営が順調にスタートしていたとしても、管理費や修繕費など様々な出費が出てくるということも想定しておかないといけません。手持ちの資金が減るということは、急な出費が発生したときに対応できなくなる可能性があるということになるのです。

2)投資効率が悪くなる

手持ちの資金が減ってしまうため、追加で物件を購入する場合の投資は難しくなります。複数の賃貸経営を目指したい投資家にとっては、デメリットになります。繰り上げ返済に使う資金は、運用に回した方が不動産投資には効率が良いという考え方もあります。

繰り上げ返済ばかりに集中してしまうと、当然手元の資金が減ってしまいます。利息を大きく減らしたいために、期間短縮型で繰り上げ返済しても月々のローン返済額が変わらないという点は、賃貸経営のオーナーは注意したいところです。

3)手数料など経費がかかる場合もある

不動産投資用のローン返済には、融資先の金融機関によって規約が異なります。繰り上げ返済の手数料を設定する金融機関もありますし、無料のところもあります。返済する金額によって異なるというケースもあります。

また、最近ではインターネットを利用して、金融機関のホームページから簡単に繰り上げ返済の手続きができますが、金融機関の窓口で繰り上げ返済を行うと有料ということもあります。

繰り上げ返済効果は、自身の不動産投資の規模や目指す収益などによっても、メリットとデメリットは分かれてくるものです。

結局不動産投資をする上で繰り上げ返済はすべきか?

繰上げ返済すべき?

これまで繰り上げ返済のメリットとデメリットを見てきました。不動産投資で組んだローンは、誰でも早く完済したいものです。多くの投資家がそのように感じているかもしれません。しかしながら、本当に繰り上げ返済は得策なのでしょうか。ここからは、これまで述べてきたメリットやデメリットをもう一度考えながら、解説していきたいと思います。

繰り上げ返済をするメリットはいくつかありました。毎月のローン返済額を減らすことができ、それにより収益率が良くなるでしょう。また、融資期間を短縮する方法の場合には、毎月の返済額は変わりませんが、返済額の総額を減らすには、期間短縮型のほうが、メリットは大きくなるということもわかりました。

金融機関から借りたローンは、早く完済して心身ともにすっきりしたいものですが、不動産投資は住宅購入とは異なります。

不動産投資は家賃収入を頭金にし、さらに不動産を追加で購入していくことができます。そういったことから繰り上げ返済をする資金を、繰り上げ返済に回さず追加物件の頭金にした方が良いという考えもあります。

ただし、今以上の投資用不動産を持たずに経営するというのであれば、返済額軽減の繰り上げ返済で、毎月のローンを軽減していく方が得策です。また、複数の物件をすでに所有している人なら、そのうち一つの物件で期間短縮の繰り上げ返済を行い、ローン完済します。そしてローン完済後の家賃収入分を、次の物件購入に回すこともできます。

つまり自分の所有する物件に合わせて、工夫をしながら繰り上げ返済を上手に利用すると、より効果的といえそうです。

また繰り上げ返済をするかしないの判断をする時、注意点があることも知っておきたいことです。ここからは、繰り上げ返済する際の、注意点について解説してみたいと思います。

一つは自己資金は多少なりとも手元に残しておくべき、ということです。手持ちの資金をすべて繰り上げ返済に使わないようにしてください。不動産物件を追加購入する予定でも、そうでなくても資金は多少残しておかなくてはなりません。中には借入金を減らそうと必死になって全資金を返済に回してしまう人がいます。

しかし、それはおすすめできません。なぜなら賃貸経営は必ず管理費や修繕費、保険料に固定資産税などの諸費用がかかってきます。空室や家賃滞納も起こりうることです。急な出費への予備金として、手持ちの資金はある程度確保しておく必要があるでしょう。

次にしょっちゅう繰り上げ返済を行わないことです。繰り上げ返済をする場合は、細かくお金を分けて返済することは避け、まとまったお金を少ない回数で返済することです。場合によっては繰り上げ返済の手数料が掛かりますので、住宅ローンと投資用ローンの違いも把握してみてください。

繰り上げ返済をするかしないかの判断は、自身の不動産投資の目指す規模や状況をきちんと見極めることが大切です。

まとめ

繰り上げ返済には、残高を全額一括で返済する全額繰り上げ返済や、一部を返済する一部繰り上げ返済があります。ここまでは一部繰り上げ返済について解説してきました。そしてその中には期間短縮型と返済額軽減型の2つのタイプがあり、それぞれのメリットとデメリットがお分かりいただけたと思います。

期間短縮型は、毎月の返済額は変わりませんが返済期間を短縮できるものです。総返済額の軽減に効果が大きいといえます。返済額軽減型は、返済期間は変わりませんが月々の返済金額を減らせ、不動産投資の収益をアップするのに効果があります。

両方とも返済額を減らせるというメリットがあるのですが、繰り上げ返済により日々の生活が苦しくなったり、賃貸経営の急な出費に困るようでは、本末転倒です。目先の損得だけではなく、長期的な運営を心掛けた上、メリットとデメリットを理解しましょう。そして自分に有効な返済法なのかどうかを、考えてみることが大切なことといえそうです。

確定申告で知っておくべきこと

この記事が為になったら知人に教えよう!

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