ブランドマンションのウリは、そこに住むことでステータスを感じられる高級感だけではありません。生活に潤いや安心感なども提供してくれます。そして不動産投資家にとっても、高い資産価値を与えてくれます。
特に首都圏や東京の新築マンションは、資産価値が落ちにくいため融資を受けやすく、ある程度の頭金さえ用意できれば購入はそれほど難しくありません。
「ブランドマンションは敷居も価格も高くて手が届かない」とあきらめるのは実に惜しいことです。
これからブランドマンションとは何か、どんなメリットあるのかを解説していきたいと思います。
ブランドマンションとは?
野村不動産の「PROUD」や三井不動産の「パークマンション」などのブランドマンションをCMで目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
ブランドマンションとは信頼性や知名度のある大手の不動産会社が土地所有から建設まで手掛け、分譲するマンションです。
現在、ブランドマンションを手掛ける会社には、財閥系の会社から一部上場一部の大企業、そして電鉄系まで様々です。
ブランドマンションは希少な立地にある上、建設やデザイン、設備も選び抜かれており、購入希望者が殺到するほどです。
その理由はなぜか。
ブランドマンションは一般のマンションよりワンランク上の判断水準を設け、各社がそれぞれ独自のコンセプトでハイクオリティに仕上げるためです。
そのため、ブランドマンションは資産価値が下がらないことが保証されている、とまでいわれています。
ブランドマンションの中には、すでに中古でも値が上がることを見越して強気の価格設定で売り出し、それでも完売してしまうマンションもあります。こうした資産価値が保証されているような物件は、投資家にとっても大きな魅力がありますから、今後投資用マンションを探したいと考えている方にも参考になるでしょう。
ブランドマンションの特徴は?
ここからは、ブランドマンションがどのような特徴を持っているのかを具体的に見ていきたいと思います。
1)利便性の高い立地に建設される
東京23区内や横浜・川崎・大宮など首都圏でも利便性の高いエリアで、さらに駅から徒歩圏内にあるという条件に優れているのが、ブランドマンションの特徴です。
特に立地そのものに魅力があることも、メリットといえるでしょう。周辺環境も含めて入居者に高い支持を得られるように考えられているのです。
2)デザインや設備が最新トレンドを押さえている
ブランドマンションは、分譲する会社のブランドの雰囲気を感じさせるような外観、内装を持ち、最近はセキュリティにも万全を期しています。
各部屋には浴室乾燥機、エアコン、間接照明などの設備が充実していることはもちろん、採光と眺望も考えられた構造になっているのもブランドマンションならではといえます。
会社によっては、ブランド名をシリーズ化して販売し、マンション外観やエントランスなどのデザインを統一しています。広いエントランスにコンシェルジュカウンターを置くなど、ホテル仕様を謳ったマンションもあります。
3)管理が行き届いている
ブランドマンションは、管理の面でも通常のマンションとは大きく差別化されています。
管理人が随時巡回しているので、マンション内はもちろんのこと、敷地内の植物管理まで徹底されています。
そうすることでマンションの外観やエントランスの美観を保つことができ、美しく清潔な環境を入居者に提供できます。
また管理体制が完璧であれば、防犯面のリスクも低下するでしょう。
4)資産価値が落ちにくい
ブランドマンションは、普通のマンションよりもワンランク高いクオリティを保っており、築年数がたっても資産価値が落ちにくいので、中古でも売却利益が出やすいことが多いのです。
ここ最近は、新興デベロッパーよりも財閥系の三井、住友、三菱、安田などのブランドマンションが、信頼性も高く、安定した資産価値が期待できると判断されています。
ブランドマンションが好まれている理由は?
ブランドマンションはここまで挙げてきたように、設備面、デザイン面、立地面、管理面で非常に優れており、不動産投資を始める人にとっても大変人気があります。
ではなぜ不動産投資家が最初にブランドマンションを購入したほうが良いのか。それは先ほど挙げた、資産価値が下落しにくいという点が最大の理由といえます。
ブランドマンションは、低リスクでの賃貸運営ができます。
不動産投資家にとって、空室リスクや修繕リスク、そして資産価値が下がるリスクなどは、できれば避けたい不安材料でしょう。
その点、ブランドマンションはそもそも大変人気の物件ですので、空室が出たと情報があれば、キャンセル待ちの入居希望者が殺到するといわれています。選び抜かれた立地に建設されるため、周辺には競合マンションがない、というプレミア感もあります。
その結果、同じエリアでの賃貸需要が高くなり空室が発生しないのです。家賃収入が継続的に得られることで、ローンも安定的に返済するとこが可能でしょう。
さらにブランドマンションの入居者は、自営業主や高収入の方が入居することが多く、金銭的に余裕のある層が多いといえます。家賃の滞納リスクも少ないでしょう。
また、個人のセキュリティ面を重視する層なので、プライバシーが保たれ隣人トラブルも少なく、人間関係に悩まされることもほぼないといえそうです。
加えて、昨今の課題といえる災害リスクを最小に抑えた建物の構造もブランドマンションの大きな特徴。その安心感も好まれる理由です。
ブランドマンションの選び方は?
マンションの資産価値は、ブランドの知名度があるほど下がりにくいといわれています。
特に自社のブランドを大切にする企業のマンションほど、信用度が高く好イメージを持たれています。
一方でブランドマンションは各社独自のコンセプトがありますから、この点はリサーチすることが必要です。
またリーマンショック前ならば、新興系デベロッパーがブランドマンションを多数手掛けましたが、リーマンショック後は、財閥・大手不動産の分譲マンションが市場で優位性を持つようになってきています。
こういった市場状況の変化には注意しておきたいものです。 では、これからブランドマンションを選ぶポイントをご紹介していくことにします。
■中古になっても資産価値の下がらないブランドを選ぶ
不動産投資に関連する雑誌やサイトほか、ビジネスマン向け投資などのメディアでは、ブランドマンションの記事が掲載されることも多いかと思います。
そこで、近年のブランドマンションの騰落率の情報を得られます。またブランドマンションを手掛ける不動産会社のランキングなどもリサーチできますので、ぜひ参考に調べてみてください。
騰落率から資産価値が下がりにくいか否かを判断することが大切です。
■資産価値の下がらない物件は適正価格で購入する
新築分譲マンションの価格は、土地代と建築費に、手掛けた不動産会社の利益を上乗せして決まります。
ブランドマンションは、各社のスペシャリストが必ず価値の出るような物件を分譲しますから、どうしても高い価格になります。
この高めな設定の価格には資産価値が下がらない、空き室リスクがないなど、それ相当の理由があります。
確かな物件に投資する意義を考慮して、高値でも適正価格と捉えて購入することが大事です。
■ブランドマンションのコンセプトから選ぶ
ブランドマンションに資産価値があるという点は、問題ないかと思います。
しかし、同じブランドでもマンションのコンセプトが立地に合わなかった場合は、購入者のターゲットを絞りきれてないという理由で、価格が上がらない場合もあります。
またブランドマンションの相場は時代の情勢や流行を反映します。
低層なのか高層なのか、立地よりもデザイン性やセキュリティ面を重視するのか、また過去には郊外であることが重視されたこともあります。
こうした流行に左右されない安定性を見極めることも大切です。
投資用に適したおすすめのブランドマンションは?
これまでブランドマンションとはどんなマンションなのか、その特徴や人気の理由と選び方を説明してきました。
ブランドマンションは資産価値が下がりにくく、投資する際には賃貸でも売却しても大きなメリットがあることが、分かっていただけたかと思います。
ではいよいよ、中古でも値上がりが期待できる、不動産投資におすすめのブランドマンションTOP7をご紹介します。
(参考:住まいサーフィン 売主別 中古マンション騰落率ランキング 2016年度公表版スタイルアクト株式会社 プレス発表資料 2016年10月25日)
おすすめブランドマンションランキング
投資ではよく騰落率という数値が出てきますが、これは投資した商品の利益の上がり下がりを示すものです。
ブランドマンションでいうと、この騰落率が高いものが資産価値の下がりにくい物件ということになります。
関東のブランドマンション別騰落率のランキング上位は、1位リビオ(新日鉄興和不動産)、2位ザ・パークハウス(三菱地所レジデンス)、3位ブランズ(東急不動産)という結果でした。
以下、TOP7ブランドについて詳しくお伝えします。※物件㎡58~77※築年約5年。
1位 | リビオ |
2位 | ザ・パークハウス |
3位 | ブランズ |
4位 | ブリリア |
5位 | コスモ |
6位 | パークホームズ |
7位 | プラウド |
1位:リビオ
日鉄興和不動産が手掛けており、living Oasis【オアシスに暮らす】の意味を持つブランドマンションです。
「安心してくつろげる空間」「確かな品質により長期に渡り資産価値が守られる」「永く愛され、色あせないデザイン」というコンセプトが支持されています。
新築時に約4,300万円だったのが、中古で約400万円値上がりした価格で売りに出されました。
(中古売出4,749万円 新築4,336万円)
2位:ザ・パークハウスグラン
三菱地所レジデンスのブランドマンションです。
複数のブランドを持つ会社が多い中、三菱地所はパークハウスのみでブランドを確立してきました。
トップクラスの技術が集約されています。
新築時に約6,000万円だったのが、中古で約400万円値上がりした価格で売りに出されました。
(中古売出6,439万円 新築5,992万円)
3位:ブランズ
東急不動産のブランドマンションです。
麻布、六義園、代々木と稀有な立地にあり、計算し尽くされた美しい直線と曲線の建築でデザイン賞も受賞しているブランドです。
「人生を極める住まい」をコンセプトに、暮らす人の目線に立った、細部まで品質にこだわったマンションとして定評があります。
新築時に約5,100万円だったのが、中古で約400万円値上がりした価格で売りに出されました。
(中古売出5,559万円 新築5,138万円)
4位:ブリリア
日本で最も古いといわれる不動産会社、東京建物のブランドマンションです。
安田財閥の創始者、安田善次郎が明治29年に設立したという歴史があります。
「洗練と安心」のコンセプト通り、美しい外観や厳しい品質基準などを設け、ハイクオリティでアフターサービスやオーナーズ特典など様々な利点を備えています。
新築時に約5,250万円だったのが、中古で約300万円値上がりした価格で売りに出されました。
(中古売出5,540万円 新築5,250万円)
5位:コスモ
コスモイニシアのブランドマンションです。
前身である株式会社リクルートコスモス時代の1974年から分譲マンション事業を開始、2011年には10万戸超の累計供給実績を持つに至った、大手デべロッパーです。
社名変更によりブランド名は「イニシア」に変わり、現在コスモシリーズは建築されておりません。
そのため、プレミア感が評価されています。
新築時に約3,500万円だったのが、中古で約150万円値上がりした価格で売りに出されました。
(中古売出3,647万円 新築3,498万円)
6位:パークホームズ
三井不動産のブランドマンションです。
基本に忠実に、確かな住まい。
それが三井不動産のパークホームズのコンセプトです。
頑丈な地盤としっかりした基礎工事など、耐震性のある安全なマンションが評価されています。
また引き渡し後も三井不動産が直接アフターサービスを行ってくれます。
新築時に約4,500万円だったのが、中古で約150万円値上がりした価格で売りに出されました。
(中古売出4,685万円 新築4,502万円)
7位:プラウド
野村不動産のブランドマンションです。
洗練された高級感のあるTVCMでもお馴染みのブランドです。
プラウドのブランド力は高く、相場よりも高い価格でもブランド力で販売しきる力があります。
新築時に約6,400万円だったのが、中古で約150万円値上がりした価格で売りに出されました。
(中古売出6,549万円 新築6,396万円)
以上のランキングは中古での販売価格の騰落率がプラスだったブランドのみを掲載しています。
その他にも優れた資産価値のあるブランドがありますので、ぜひご自身の目で色々と調べて検討してみてください。
まとめ
マンション購入する際、資産価値を気にする人は増えてきています。
資産価値のある駅近のブランドマンションは、周辺相場と比べ高値で販売されるケースも目立ち、人気も衰えません。
とはいえ、ブランドマンションの良し悪しは、コンセプトと立地建築がターゲットに合っているかどうかで決まります。
ブランド力のあるマンションが購入ターゲットに当てはまらなければ、価格は下落してしまう可能性もあります。
しかし、そのあたりを初心者が見極めるのも難しいもの。
スペシャリストの知識が凝縮されたブランドマンションの実績を購入の目安としつつ、広く情報を収集してみてくださいね。